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失敗しない間取りの決め方

家づくりと言えば、新築であろうとリフォームであろうと必ず決めなければならないのが間取り作成です。
企画住宅や建売など既に間取りが決まった建物でもその建物の間取りをみて選びます。
この間取り大変そうですが、家づくりの中では、最も楽しく思い出に残るシチュエーションの一つだと思います。
半面で、この間取りがその時の選択によって大きく家族の未来を変えてしまいます。
今回は難しくもある取りについて、大工経験の観点から述べていきたいと思います。

間取りを決める前に

現在から将来に向けてどんな暮らしをしたいのか、そして、どんな家族構成で暮らすうのか
とにかく、設計者に思いをしっかり伝えれることが大切です。
その為にも様々な理想のイメージに近い情報を事前に確認をしながらヒアリングシートに明確に形をしめす作業が必要です。
それを基に設計者が具体的に間取りを含めた設計に入ってゆきます。

間取りを決める要素

家族構成については

核家族、同居、二世帯住宅 親世帯と子ども世帯といったように2つの家族が暮らす住宅、大家族

予算について

ここは、当然に予算により大きく影響を与えるところで特に家の大きさ(面積)はこれにより制限がかかる事があります。

立地条件(土地の形状)について

土地の条件が大きく間取りに影響を与える事があります。全方向に良い土地であればよいのでしょうが、実際には、面積や隣接の環境、道路との関係や

ゾーニングについて

ゾーニングとは、空間の中にリビングやダイニング、廊下などの部屋をグループ単位で配置することで間取りを考える上では、ゾーニングを考えることにより分かり易くなります。
一般的な住居に必要なゾーンは、下記の5つでしょう。

1、パブリックゾーン:リビングやダイニングなど
2、プライベートゾーン:寝室や子ども部屋など
3、サニタリーゾーン:浴室、洗面&脱衣室、トイレなど
4、エントランスゾーン:玄関や勝手口など
5、通路ゾーン:廊下や階段など

上記のゾーンの中で、パブリックゾーンは家族だんらんの場であるため、一番日当たりの良い所に置いてみることは当然におすすめです。次に、パブリックゾーンにそのほかのゾーンをどう接続するかを考えると、必要な部屋の配置がきまります。間取りを考える際は、細かいパーツへの要望ではなく大まかな全体像から先に決めていきましょう。
まず2階建ての場合に必ず必要になるのが階段です。この階段をどの位置に配置するかで大きく間取りは変化をします。

次のパターンから見てみましょう。

■階段が玄関から遠い位置にあるゾーニングの例

このように玄関と階段が離れていると、玄関から2階の個室へ行く際に廊下やリビングダイニングを通るので、自然と家族が顔を合わせる機会が増える。一方で、廊下が長くなり、デッドスペースになる可能性があります。

■階段が家の真ん中にあるゾーニングの例

玄関と階段が近いと廊下がその分短くてすむので、1階の個々のスペースを広く取りやすくなる。一方で、個々のスペースを階段で分断してしまう可能性もあるので、階段をシースルーにするなど工夫するとよいです。

■玄関と階段が近いゾーニングの例

玄関と階段が隣り合わせのため、廊下が最小限ですむのでスペース効率が良く、1階の個々のスペースを広く取りやすくなる。一方で玄関から2階にすぐ行けるので、家族が顔を合わせにくくなる可能性があります。

導線について

次に「動線」について考えてみましょう。
ゾーニングを考える際に無意識に動線を考えた人も多いのではないだろうか。動線とは、家の中を人が行き来する経路のことでゾーニングをした後、部屋と部屋のスムーズな移動ができる方法を検討しましょう

■動線の種類
1、家事動線/料理や洗濯、掃除など、家事をする動線
2、衛生動線/トイレや浴室へ行くための動線
3、来客動線/お客様が移動する動線
4、通勤通学動線/各個室とリビングや玄関を結ぶ動線

動線はなるべく短くすることが基本です。中でも家の中での動きが多くなる家事動線は、短いほうが家事はラクになります。例えば料理なら、買い物から帰ってきたときから、料理中、ゴミを出すまでの動線を考え、玄関、キッチンだけでなく、リビングダイニングがどこにあると家の中の移動がスムーズなのかがわかってきます。
玄関からリビングダイニングを通らずに2階の部屋へ上がるような配置にすれば通勤・通学の動線を短くできます。一方で、必ずリビングダイニングを通らないと2階の部屋へ上がれないゾーニングなら、通勤・通学の動線は少し長くなるが家族と顔を合わせやすくなります。あとはどちらの暮らし方が自分たちの理想なのかを考えることです。

間取りパターンについて

ある程度ゾーニングができて動線が見えてきたら、部屋別に家族の希望をどう実現できるのかを考えていこう。その際に、たくさんの事例を見ることが参考になるはずだ。ぜひいろいろな間取りを見ながら家族と会話をすることで、意見をまとめることが大切です。

リビング・ダイニング・キッチン(LDK)

リビングダイニングキッチン(LDK)は、料理をしながらリビングにいる家族と会話ができるので人気の間取りだ。しかし何を重視するかによってリビング・ダイニング・キッチンのそれぞれの位置が変わるなど、微妙に間取りが変わってきます。

■家族との会話を重視した例

家族がそろって時間を過ごし会話を重視する場合、キッチンを対面式にしてダイニングやリビングが見えるようにすると、料理や後片付けの際でも家族との会話が生まれやすくなります。

■友人を招くことが多く、接客を重視した例

来客が多い場合、生活感をあまり見せたくないという人は多いはず。その場合、玄関からリビングまでの動線上にキッチンやダイニングが見えない間取りにするとよい。リビングとダイニングの間には、来客時にサッと閉められる引き戸を用意しておくと、片付けを後回しにして来客の対応しやすいです。

■子どもとのコミュニケーションを重視した例

LDK内にリビング階段を設けると、子どもが通学する際や帰宅した際に必ずLDKを通ることになる。そのため親子で顔を合わせやすく、家事をしていても子どもとコミュニケーションが取りやすくなります。

キッチン、浴室など水まわり

キッチンや浴室、トイレなど水まわりはできるだけまとめると、家事動線が短くなるので毎日の洗濯や掃除がラクになるだけでなく、配管の工事費が抑えられるメリットも。普段どのように家事を行っているかを、考えながら間取りを決めるとよいです。

■家事を回遊しながらできる例

キッチンを中心にぐるぐると行き止まりなく移動できる動線のパターンで料理や後片付けなど、キッチンでの家事をやりながら、同時に洗濯や浴室・洗面室、ダイニングなどの掃除がしやすくなります。

子ども部屋

子どもさんの部屋を考える場合、家族構成に関連しますが将来的に子どもが何人欲しいかは考えたうえでもし将来2人以上の子どもが欲しいなら、それに応じて可変性のある間取りにしておくと良いと思います。
個室が必要になる小学校高学年や中学生くらいまでは一緒の部屋で遊んだり寝たりするほうが子どものコミュニケーション能力が育ちやすくなると思います。
例えば子どもが2人の場合。お子さんが小さいうちは一つの部屋を年齢が近い場合や、同性の場合などは机やベッドを並べるなどすれば、一緒に勉強したり遊んだりできるので可能だと思います。将来的にはリフォームで間仕切壁を入れ、2つの独立した部屋にすることも可能となり新築時の費用が抑えられ合理的だと思います。

玄関まわり

玄関に下駄箱やシュークロゼットを備えるのはもちろん、例えばベビーカーやゴルフ用品など、比較的大型のものを収めるスペースも設けておくと、それらの出し入れが簡単になり、またコートなど外出時にしか着ないものを掛けるクロゼットを備えるケースも最近は多くなっています。普段の通勤・通学・外出時や帰宅時を思い出しながら間取図を考えて下さい。

■玄関に収納を集めた例

玄関の近くにコートやカバンを置くスペースを用意すると、身仕度がスムーズで帰宅後もコートなどをリビングに持ち込まずにすむので、リビングが散らからずことになります。また玄関近くにパウダーコーナーを設けると、帰宅してすぐに手を洗ったり、出かける直前にお化粧をチェックできたりして便利です。

間取りを決める時に並行して検討したい事

家の性能

間取りを考えるときに当然に家の性能も大きく係わることです。
思い切った斬新な間取りやデザインを優先して耐震的に問題があったり間取りによっては風通しが悪かったり採光(窓面積)が足りなくて暗くなってしまったり。必ず並行して検討をする必要があります。

気学(家相)

地味な話に思われたり人によっては嫌われたりするのがこの気学(家相)の話です。
完璧にクリアーした間取りが、結果的に使いにくい家になってしまう事が多々あります。
リフォームで伺ったお宅でどうしてここにトイレがとか浴室がとか良くありますが、
結構この気学に基づいた間取りが原因の事があります。
例えば10個の項目があるとするとそのすべてではなく1つでも多くクリアーすることにと務めることが大切でどうしても避けられない場合は補相を行うことが良いのかと思います。
私の場合は、お客様に事前に家相の事ををお伝えする事無くクリアーをするように微妙な寸法でよけてゆくようにしています。

住宅設備など

コンセントの位置、窓の必要性の有無、においや音、エアコンの位置、カーテンとの干渉、内装仕様、照明計画、生活家電や家具配置

良い間取りに出会うために

住宅雑誌、住宅展示場、
理想のイメージに近い写真や間取り図を見つけたら、これから建てる家に取り入れて暮らしている様子をイメージしてみましょう。しっくり来たら間取り案に採用するのも一つです。

まとめ

すべてにおいて完璧にできることは、無いに等しいです。
ただ、知っていても条件が合わずに出来なかったことに対して、しっかりした検討をせずにできてないでは多くな差が出ます。
半面で間取りを決めるにあたりこの常識に囚われすぎても良くない場合があります。
今さら何をと思われるでしょう。ある意味今まで述べたことは、その常識でもあります。

 

青木 茂生

青木 茂生

この記事を書いたスタッフ

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