2020年12月21日
今日は二十四節気の「冬至」
北半球では太陽が1年で最も低い位置にきて、夜が一番長くなる日だそうです。
冬至にまつわる言葉に「冬至10日前、後」と言われますが
実際には、日の出は今後もまだまだ遅くなりますが
日の入りはすでに大分遅くなり日暮れの時間だけ見れば日が長くなった気がします。
さて、住宅(建築)においてこの「冬至」
日照という結構重要な指針に使われています。
建物を中心に見ているときに
対外的には、日影図から読み取る日照権の問題
対内的には、日当たりでしょうか
「可照時間」と呼ばれる地球レベルの障害物のない状態は別として
冬の冬至に部屋の中にどれだけ日が差してくれるのか?が
住宅の設計段階では重要とされています。
日当たりを良好にするための重要な項目として
- 立地条件(その土地の地域環境、自然環境)の良し悪し
- 間取りの良し悪し
- 構造的な良し悪し
1に関しては、土地の選択時の大きな重要なポイントで
ある意味その土地での設計考慮はそれに依存してしまいます。
2と3に関しては設計の段階で検討して行きます。
最近の住宅は、基本的に空調システムを利用した住宅設計が多く
この方が、住宅の性能の数値を出し易いところもあるのですが
ひとたびこの空調の電源を切っしまうと途端に住みにくい住宅になってしまいます。
ここで、昔の日本の家屋をイメージしたときに
南面に大きな窓(開口)と深い庇(縁側)
現在は窓に関しては大きく取る場合も多いですが
軒に関しては浅く、無し(軒ゼロ)の住宅も多いです。
冬は暖かいものの
夏はカーテンなどの遮蔽物が無いと日差しが直接注ぎ暑くて仕方が有りません。
ここで、昔の日本家屋も庇が長いから今度は冬が寒いとなります。
そうです。
ここが、設計の重要なところで
先ほどの日差しを現在はPCを使って
日当たりシュミレーションをして軒の出の深さを検討してゆきます。
夏は涼しく冬は暖かい丁度良い構造を決めて行くのです。
かっこいいデザインは確かに良いですが、
住まいは長く住んでいただく物
軒は、こうした面でも重要かと思います。
快適で最適な日照を得るためにも重要な設計項目かと思います。